医療広告ガイドラインで、美容医療のポータルサイト運営に関わる部分

要点

目次


ポータルサイトは広告に該当する

医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って、当該医療機関の情報を特定の媒体に掲載することを依頼している場合のみならず、医療機関情報ページ、予約システム、医療相談などが一体化したウェブサイトの予約システムのみに医療機関側の費用負担が発生している場合も、一体化したウェブサイト全体に誘引性があるとみなし、広告規制の対象とする。 医療広告に関する前回の議論の整理(案)(PDF:173KB)| 厚労省
医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って、
当該医療機関の情報を特定の媒体に掲載することを依頼している場合には、
医療機関が当該媒体を用いて患者を誘引する意図があると考えるというのが事務局としての考え方になりますので、
そのことを踏まえますと、
医療機関の検索が可能なウェブサイトにつきましては、
その費用負担の便宜を図って、
当該医療機関の情報を特定の媒体に掲載することを依頼している場合は当然そうですけれども、
それだけではなくて、
医療機関情報ページ、予約システム、医療相談などが一体化したウェブサイト予約システムの場合も、
そういった費用負担等が発生している場合は、
一体化したウェブサイト全体に誘引性があるとみなして、
広告規制の対象とすべきではないかということを対応方針(案)として示させていただきたいところです。 2018年9月12日 第11回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会 | 厚労省
例

画像引用元:医療広告に関する前回の議論の整理(案)(PDF:173KB)| 厚労省

ポータルサイトは広告に該当するか(GemMedの見解)

該当する(特定性・誘引性があるため)

(2)検索後等に、表示される「検索結果」(医療機関名が一つ、あるいは複数表示されるなど)のページは、(3)(4)の特定性・誘因性がある場合には広告に該当する 医療機関から金銭授受を受ける医療情報サイトは広告、「体験談」等は掲載不可―医療情報提供内容検討会(1)| GemMed

「限定解除要件」を満たせばいい

(5)(2)の検索結果等のページは、(上述の)限定解除要件を満たせば広告可能事項の限定が解除される 医療機関から金銭授受を受ける医療情報サイトは広告、「体験談」等は掲載不可―医療情報提供内容検討会(1)| GemMed

(1)医療機関の検索が可能なwebサイトのトップページは、特定性・誘因性がなく、広告に該当しない(「エリア、診療科、診療内容などを選択する」といったイメージのサイト)

(2)検索後等に、表示される「検索結果」(医療機関名が一つ、あるいは複数表示されるなど)のページは、(3)(4)の特定性・誘因性がある場合には広告に該当する

(3)「医療機関の名称が特定可能である」場合には、特定性があると言える

(4)当該webサイトに医療機関が金銭等を支払う場合(広告料はもちろん、例えば「医療機関情報ページ」「予約システム」「医療相談」などが一体化したwebサイトの「予約システムのみに費用を支払う」というケースなども含む)には、webサイト全体に誘因性があると言える

(5)(2)の検索結果等のページは、(上述の)限定解除要件を満たせば広告可能事項の限定が解除される

(6)(5)に該当(限定解除)しても、診療内容・効果に関する患者の体験談や口コミは掲載できない

医療機関から金銭授受を受ける医療情報サイトは広告、「体験談」等は掲載不可―医療情報提供内容検討会(1)| GemMed

ポータルサイトと医療機関のホームページで違いはない(両方等しく広告)

医療法第6条の5は,「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」を広告と定義し,医療広告ガイドラインでは,①患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性),②医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)の要件をいずれも満たす場合に「広告」に該当するとして,広告該当性の判断基準を示している。これらの要件を満たす医療機関のウェブサイト,医療機関が運営する SNS,院長やスタッフのブログ等はいずれも広告に該当し,規制の対象となる。 改正医療法による新広告規制 ~自由診療を行う医療機関が注意すべきポイント~(アンチ・エイジング医学-日本抗加齢医学会雑誌 Vol.14 No.4)

上記がすべて広告と書かれている。そして、ポータルサイトもここまで書いた通り広告である。その点で、両方同じ規制を受けるはずである(確認中)。

医療法第6条の5

第2節 医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告

第6条の5 何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。 医療法第2節 第6条の5 | 法令リード

医療広告ガイドラインの「広告の定義」

第2 広告規制の対象範囲

1 広告の定義
法第2章第2節「医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告」の規定による規制の対象となる医療に関する広告の該当性については、次の①及び②のいずれの要件も満たす場合に、広告に該当するものと判断されたい。
① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 医業若しくは歯科医業をを提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)P.2

全体

公益社団法人・日本医業経営コンサルタント協会の機関誌『JAHMC』で、弁護士の奧野舞氏が以下のように語られている。

【参考】医療機関の広告規制のポイント解説と対策 | 公益社団法人・日本医業経営コンサルタント協会

過度に萎縮する必要はない

そうはいっても、医療機関側が過度に委縮する必要はないと思われる。

指導が入っても、すぐに罰則があるわけではない

もし、自院のウェブサイト等について第三者から通告がなされ、自治体を通じて広告内容について指導が入ったからといって、直ちにそれが罰金等の刑事罰につながるわけではない。

すぐ誠実に対応すればいい

当然ながら、指導を受けた段階で誠実に対応して改善すればよいわけである。

特定の単語の問題ではなく、実質的な内容の問題である

なぜなら、当該広告内容が医療広告ガイドラインに照らしてセーフかアウトかという問題は、最終的に「当該広告内容が、患者等を誤認させるおそれがあるか否か」という実質的解釈問題に帰着するからだ。

「実質」の具体例はこちら

限定解除要件とは

下の4つを満たせばいい。

  1. 患者に役立つWebサイトや、それに近い広告
  2. 問い合わせ先を明示
  3. 治療の内容・費用などの詳細を明記
  4. 主なリスク・副作用を明記

① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること

② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること

③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること

④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)

「NGワード」についての厚労省の見解

NGワードの代表例である「アンチエイジング」について、厚労省の方が見解を示されている。

「アンチエイジング」という単語がNGなのではない

私どもも一律にアンチエイジングという表現について、全て駄目と言っているわけではございません(後略)

「アンチエイジング」の内容を具体的にしないのはNG

単にアンチエイジングだということで誘引をするようなものは、なかなか認めることができないということでございます(後略)

「限定解除の4要件」を満たしていればいい

①から④の条件を満たすものについては、26 ページの「広告可能な事項」以外のものについても情報として提供していいという取扱いにしています。

重要なのは「照会先、手法、内容、費用、リスク、副作用」など

特に、重要なところについては、照会先とか、どのような手法をとるのか、どういう治療の内容、費用がどのぐらいかかるか。それから、やはり重要なのは主なリスク、副作用であります。

患者を守るための情報をしっかり書ききることが大切

そういうところまでしっかりと書き切って、情報提供をし切っていただくということだろうと思います。

原文(全文)

私どもも一律にアンチエイジングという表現について、全て駄目と言っているわけではございませんで、単にアンチエイジングだということで誘引をするようなものは、なかなか認めることができないということでございますが、しっかりと、25 ページにございますが、1つは、①から④の条件を満たすものについては、26 ページの「広告可能な事項」以外のものについても情報として提供していいという取扱いにしています。

特に、重要なところについては、照会先とか、どのような手法をとるのか、どういう治療の内容、費用がどのぐらいかかるか。それから、やはり重要なのは主なリスク、副作用であります。

例えば、ワイヤーを中に入れますと、後々、例えば、MRI を撮ろうと、別の疾患で医療機関にかかったときに、それがあるから撮れないとか、そういうのに気づいて、そのとき初めて、あのときやったのはどうだったのかと思っては、やはり、消費者としては守られていないと思いますので、そういうところまでしっかりと書き切って、情報提供をし切っていただくということだろうと思います。

内閣府 規制改革会議第4回医療・介護ワーキング・グループ議事概要(P.16の最後の行~P.17)

未承認薬

国内で未承認の薬を使う場合、そのことを明記しなければいけない

(未承認医薬品等であることの明示)

用いる未承認医薬品等が、医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものであることを明示すること。(A2-13)

未承認薬の個人輸入は明記

医師等の個人輸入による未承認医薬品等を用いる場合は、その旨を明記すること。
合わせて、厚生労働省ホームページに掲載された「個人輸入において注意すべき医薬等について」のページ(※)を情報提供すること。

(※)https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/

やくぶつネット

(上の画像のサイト)

「実質」の具体例

たとえば、アートメイクの「2~3年で消える」は今後アウトになる可能性がある。アートメイクは数年でかなり薄くなるが、それでも完全に消えることはないためだ。↓

アートメイクは完全に消えるわけではない

また「FDA認可の染料」もアウトになるかもしれない。「FDA認可の色素を用いた染料」ならOKだと思う(完全に事実なので)。

とっさに思いつくのはこのあたりである。上の例でいう「染料・色素」の違いは、言葉の問題ではなく本質的な問題である。ここでは「染料」という単語がNGになるが、決して単語だけで単純に言葉狩りをされるわけではない。

アンチエイジング

一律に「アンチエイジング」という単語がNGなわけではない

厚生労働省も一律にアンチエイジングという表現について、全て駄目と言っているわけではなく、

「アンチエイジング」という言葉に根拠がない広告はNG

単にアンチエイジングだということで誘引をするようなものは、なかなか認めることができない。

条件を満たすものは広告していい

しっかりと、条件を満たすものについては、「広告可能な事項」以外のものについても情報として提供していいという取扱いにしている。

照会先、手法、治療内容、費用などを説明する

照会先とか、どのような手法をとるのか、どういう治療の内容、費用がどのぐらいかかるか。

特に重要なのは副作用、リスク

重要なのは主なリスク、副作用であり、

「消費者を守る情報」をしっかり書ききる

消費者を守るべき情報をしっかりと書き切って、情報提供をし切っていただくということ。

厚生労働省の見解(要約)

厚生労働省も一律にアンチエイジングという表現について、全て駄目と言っているわけではなく、単にアンチエイジングだということで誘引をするようなものは、なかなか認めることができない。しっかりと、条件を満たすものについては、「広告可能な事項」以外のものについても情報として提供していいという取扱いにしている。

特に、重要なところについては、照会先とか、どのような手法をとるのか、どういう治療の内容、費用がどのぐらいかかるか。それから、重要なのは主なリスク、副作用であり、消費者を守るべき情報をしっかりと書き切って、情報提供をし切っていただくということ。

広告について | 日本抗加齢医学会

承認薬で似たものがあったら、そのことも明記

同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無を記載し、(後略)

承認薬の方の承認条件も明記(流通管理などの条件)

その国内承認医薬品等に流通管理等の承認条件が課されている場合には、その旨を記載すること。
理由:自院で用いる未承認薬も、同じ条件で管理しなければいけないため(似ている医薬品である以上)

バナー広告からリンクした医院HPは広告限定解除が可能

リンク先の医療機関のウェブサイトは患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトになりますので、広告可能事項の限定解除要件を満たした場合には、広告可能事項の限定を解除可能です。

今までは広告だった

従前はバナー広告にリンクした医療機関のウェブサイトはバナー広告と一体的に取り扱うこととされていましたが、

医療広告ガイドラインに関するQ&A(平成30年8月)