なつぞらのネタバレ・あらすじ

神田日勝が朝ドラのモデルに

2019年4月から放送されるNHKの朝ドラ『なつぞら』。登場人物の山田天陽(てんよう)のモデルになったのは、神田日勝である。美術愛好家や日勝ファンにとっては気になる話題だろう。

「主人公の女の子に、絵の魅力を教えるイケメン」の役

日勝がモデルになった山田天陽は「主人公の女の子に、絵の魅力を教えるイケメン」である。もちろん、日勝と同じく「画家である、農民である」。

NHKのキャラクター紹介

公式サイトでは、山田天陽の説明はこのように書かれている。↓

美術の才能があるものの、貧しく進学せずに農業を手伝う。農作業の合間に、べニヤ板に描く絵は繊細にして大胆。躍動感あふれる馬の絵が得意。アニメーターを目指すなつに絵心を教え、彼女の生涯に大きな影響を与える。

《2019年度前期 連続テレビ小説》主な出演者発表! 〜北海道・十勝 編〜(NHK)

誰がどう見ても神田日勝である。「農業・ベニヤ版・馬の絵・北海道・十勝」といったら、美術ファンであれば100人中150人が「日勝」というだろう。

演じる俳優は吉沢亮

日勝を演じる俳優は吉沢亮(よしざわ・りょう)。見ての通り、若き日のアラン・ドロンのようなイケメン俳優である。

Wikipedia「吉沢亮」の「 画像ファイル より/著作権ライセンス( Attribution-ShareAlike 3.0 Unported (CC BY-SA 3.0)

吉沢亮のプロフィール

1994年2月1日生まれ(24歳)。東京都出身。所属事務所はアミューズ。2018年に第10回TAMA映画賞・最優秀新進男優賞を受賞した新進気鋭の若手俳優。主な出演作は『仮面ライダーフォーゼ』『銀魂』『ママレード・ボーイ』『BLEACH』など。

若い頃のアラン・ドロン

吉沢は『オオカミ少女と黒王子』で、二階堂ふみと共演している。このときの舞台挨拶で、二階堂は吉沢を「平成のアラン・ドロン」と讃えた。

正確には「輝きがボロボロこぼれてた。平成のアラン・ドロンのような輝きがある」という表現である。下の文章でわかる。

映画『オオカミ少女と黒王子』(2016年5月公開)で共演した女優の二階堂ふみが、同作のジャパンプレミアで発言。「輝きがボロボロこぼれてた。平成のアラン・ドロンのような輝きがある」と往年のイケメン俳優になぞらえて表現。

2017年注目の俳優・吉沢亮の“異名”がすごい「歩くイケメン彫刻」「平成のアラン・ドロン」の「平成のアラン・ドロン」の段落(モデルプレス)

日勝のどの作品が登場するのか

当然ながら「そのまま」は使えない。しかし、日勝ファンが見れば「これ」とわかる作品は登場しそうだ。

馬(絶筆)

個人的に、一番登場しそうだと思うのはこれだ。言うまでもなく「ドラマチック」だからである。文字通り「ドラマ向き」なのだ。

美術ファンに「馬・絶筆」の説明は必要ないので、美人な学芸員さんと絶筆のツーショットを紹介させていただく。↓

日勝研究に意欲 神田日勝記念美術館の新学芸員川岸さん(十勝毎日新聞)

半分しか描かれていない馬の前で、死んでしまった天陽を思い、なつが涙ぐむ―。というシーンはかなり想像しやすい。普通のドラマだと少々陳腐かもしれないが、実在した神田日勝という人物のリアリティも相まって、十分「アリ」な展開といえる気がする。

死馬

燃え上がる大地―神田日勝 展 神田日勝記念美術館(アートアジェンダ)

「死馬」もありえると思う。

という理由だ。

痩馬

燃え上がる大地―神田日勝 展 神田日勝記念美術館(アートアジェンダ)

痩馬は下の理由で登場しそうだ。

日勝のデビュー作(19歳で描いた)

「痩馬」は日勝のデビュー作である。それは下の記述でわかる。

その第一作ともいえるのが、19歳の年に帯広の平原社展で奨励賞となった「痩馬」である。ベニヤ版に描かれたこの12号の商品は、地方都市の展覧会とはいえ、自分の力量を世間に問う意味でまさに彼のデビュー作であった。 鈴木正實『神田日勝 ―北辺のリアリスト―』(北海道新聞社/1997年)P.79-80|Amazon.co.jp

なつが北海道にいる間の天陽の活躍として、ふさわしい(史実に沿っている)

ドラマのなつは東京に行く。そして、東京に行ってからの期間がかなり長くなる。多分後半は東京だろう。

となると、なつが北海道にいる「高校生」の間に、天陽が何か活躍しないとドラマとして面白みに欠ける。いや、活躍しなくてもいいかもしれないが、こんなシーンは朝ドラ的においしいだろう。↓

  1. 天陽が何か賞をとる
  2. なつと手を取り合って喜ぶ
  3. 「ハッ」と我に返って、二人とも照れる

「いつの時代のマンガだ」と思う人もいるだろう。しかし、朝ドラはおじいちゃん・おばあちゃん達もけっこう見るので、こういうベタな展開が結構好まれる…という気がする。筆者の偏見かもしれないが。

手を取り合って照れなくてもいいのだが、「なつが北海道にいる間に、天陽が何か賞をとる方がいろいろ展開しやすい」という気はする。

痩せている馬のかわいそうな感じが、朝ドラ向き

朝ドラでは基本的に「苦労話」が好まれる。スポンサーの関係からか、「最終的には大成功するストーリー」が多く、モデルとなる大企業がある。しかし、少なくとも前半は苦労する。

歴代で一番ヒットした作品が『おしん』というのも、それを象徴しているだろう。『おしん』のように主人公たちが苦労している感じがある方が朝ドラ向けで、痩せ馬のかわいそうな姿は、絵の題材としても向いていると思う(馬には少々かわいそうだが)。

「あくどい馬商人に痩馬を買わされた」という史実も面白い

この痩馬のモデルだが「神田一家があくどい馬商人に騙されて買わされた馬」とされている。まず、史実を整理すると下の通りだ。

神田日勝研究の第一人者・鈴木正實氏はこう書いている。↓

一家がはじめて手に入れた農耕馬は、馬喰にだまされて買った使役後の廃馬であった。それが、おそらく「痩馬」のモデルであろう。

鈴木正實『神田日勝 ―北辺のリアリスト―』(北海道新聞社/1997年)P.81|Amazon.co.jp

「廃馬」という表現は少々馬がかわいそうな気もするが、短い言葉で的確に事実を伝える評論としては、必要な表現だろう。何はともあれ、痩馬にはこういうエピソードがあった。

これは朝ドラ的にも使えそうな気がする。適度に悪人が登場した方が北海道の平和な生活も面白くなりそうなので、「痩馬」に似た作品も登場するかもしれない。

余談

東京の中央区・日本橋に「馬喰町」という町がある。東京駅からJRで2つ目の駅だ。かなり中心部にあるので、知っている人も多いだろう。この馬喰町も、江戸時代に馬喰が多くいたことからついた名前だ。

ドラマでも日勝のように若くして亡くなるのか

画像引用元:すごい先人に会いに行く/第5回「画家である、農民である」神田日勝(にっしょう)(1937~1970)|JAF Mate Park

日勝は32歳で亡くなってしまった。美術ファンとして気になるのは「ドラマでも、日勝の早世が再現されるのか」という点だろう。

年齢の設定としてはあり得る

ドラマの年齢設定からすると、あり得ると思う。山田天陽が30歳程度になるまで、ドラマが続くと思われるためだ。

根拠①…主人公の奥原なつより、少し年上

まず、天陽は主人公の奥原なつより、少し年上である。それは公式サイトの説明でわかる。↓

高校生になり、なつは天陽の影響で、絵を描く仕事に夢を持ち始めていた。

明らかに「年下ではない」ので、少なくとも同い年か、1つ年下である。次に重要なのは「なつはドラマの中で何歳まで演じるのか」である。

根拠②…奥原なつの30歳までは物語が続くはず

公式サイトの説明では、主人公の奥原なつをこのように紹介している。↓

高校卒業後は上京し、草創期を迎えていたアニメーション業界に飛び込む。アニメーターとして、大自然の中で育まれたみずみずしい感性を発揮していく。

つまり「アニメーターとしてかなり活躍する」のである。いくらドラマでも、18歳の女の子がいきなりアニメ業界で活躍できるはずがない。

なつのモデルとなった奥山玲子(世界の女性アニメーターのパイオニア)も、作画監督などとして活躍し始めたのは30歳前後である。NHKなら時代考証にはある程度忠実になるはずだ。つまり、なつは物語の中で30歳くらいにはなる。

根拠③…広瀬すずは結婚式のCMを経験しているので、30歳なら演じられる

なつを演じる広瀬すずはまだ20歳である。しかし、広瀬は過去に結婚情報誌「ゼクシィ」のテレビCMの主演をしている。

その時点では16歳か17歳だったが、メイクやファッションによって25歳くらいには見えた。20歳の今なら、同じようにメイク・衣装によって30歳前後を演じることもできるだろう。

根拠④…なつが30歳になるとき、天陽は日勝と同じ32歳前後

ここまで書いた理由で、なつはおそらく30歳前後までいく。そして、そのとき「なつより少し年上」の天陽は、日勝が亡くなった年齢と同じ32歳か、その前後になるはずだ。

このように現実・ドラマの両方の年齢を計算すると、実際の日勝のように「天陽がドラマの途中で死んでしまう可能性は高い」といえる。

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