なつぞらのネタバレ・あらすじ

なつぞら・山田天陽のモデルは神田日勝

画家である。農民である」という言葉とともに、画家としても農家としても力強く生きた神田日勝(写真)
画像引用元:イベント情報&最新ニュース「第6回 日勝祭(神田日勝生誕祭)」の段落を参照(神田日勝記念美術館)

山田天陽のモデルは神田日勝である。NHKから公式の言及があるわけではないが、ほぼ間違いない。その理由を説明する。

目次

神田日勝と山田天陽の共通点

日勝と天陽の共通点は下の通り。

上の項目は、NHKによる「山田天陽の紹介文」を、単純に分解しただけだ。紹介文のすべてが「日勝と共通している」のである。

(もちろんパクリなんかではなく、日勝に対するリスペクトである)

農家であり、画家である

「農民である。画家である」と、明確に語った神田日勝。
『結局、どういう作品が生まれるかは、どういう生き方をするかにかかっている。』
25周年記念全道展帯広巡回展目録より )
彼の生涯を貫いた画家としての姿勢である。

引用元:神田日勝の生涯(神田日勝記念美術館)

貧しくて進学できなかった

一明(兄)は高校を卒業すると、東京芸術大学に進んだ。一方、日勝は中学校を終えると農家を継いだ。

(中略)

彼(日勝)は中段したとはいえ、札幌郊外にある野幌機農高校の通信教育も試みた。しかし、やがて長ずるにつれ、寒冷地での小規模農家の営農がいかに困難であるかを体験することとなる。

彼が営農を継いだのは、単に、好きだったから、というよりは、十五、六の少年が今生活をしている場所から離れることなど、想像だにできなかったからに違いないと思われるのである。また、兄が家を出たからには、自分が農家をやらなければ、という考えがなかったともいえないであろう。

鈴木正實『神田日勝 ―北辺のリアリスト―』(北海道新聞社/1997年)P.76-79

ベニヤ版に絵を描く

神田日勝の油彩作品は、素材の質感と手応えが気に入ったためか、 ベニヤ板にペインティング・ナイフを用いて描かれているのが特徴です。

引用元:神田日勝の画業(神田日勝記念美術館)

絵が繊細にして大胆

日勝を知っている人だと「大胆はわかるが、繊細ではないのでは?」と思うかもしれない。しかし「室内風景」を思い出してほしい。「ああ」と思うだろう。

神田日勝「室内風景」1970年・北海道立近代美術館蔵
画像引用元:《室内風景》を巡る、これまでとこれから美術手帖

この絵の背景の新聞紙は、すべてリアルに描き込まれている。たとえば男の後ろ、やや上の広告を切り取ると、下のようになる。

拡大すると「待望の17K新登場!」という宣伝文句が読み取れる。三菱のロゴはそのまま見えるだろう。

他の広告も同様に、あらゆる情報を読み取れる。Webの小さな画像なので読めない文字が多いが、実物だとほとんどの文字を読めるだろう。

上の三菱テレビの広告だが、実際の広告を非常にうまく再現している。↓

画像引用元:昭和37〜38年 三菱テレビ 広告昭和スポット巡り・Twitter

テレビのバージョンが少し違うし、広告のレイアウトも当然違うが、雰囲気をしっかり再現しているのがわかるだろう。

もちろん、これは日勝が示した繊細さの「わかりやすい一例」に過ぎない。実際の日勝の繊細さというのは、「農耕馬の胴引きの跡」など、生活に根ざした部分をリアルに描写するところにある。

(これより新聞紙の方が説明しやすいので、ここでは新聞紙を例にあげた)

何はともあれ、山田天陽の設定の「繊細かつ大胆」という点も、日勝と重なっていることがわかるだろう。

(なまじ日勝の絵を知っている人だと、迫力の方を意識してしまうため「繊細」という部分に違和感を覚える可能性があると考え、この説明をした)

馬の絵が得意

日勝の作品で一番有名なのは「馬(絶筆)」である。

神田日勝「馬(絶筆)」1970年制作・183.0x204.0cm・ベニヤ版・油彩)
画像引用元:「馬(絶筆)」神田日勝北海道人

半分しか描けていないのは「途中で亡くなってしまった」ためである。「馬・絶筆」は、32歳の若さで亡くなった日勝の人生の象徴なのだ。

デビュー作も馬

「最後の作品」だけでなく「最初の作品」も馬だ。下の「痩馬」である(画像はクリックで拡大)。

この作品は「神田日勝記念美術館」やその他のオフィシャルな組織によってアップロードされていない。そのため、拡散されないように文字入れの処理を行った。画像は引用元書籍の巻頭グラビアをスキャンしたものである。

痩馬(1956年・油絵・ベニヤ版)
画像引用元:ミュージアム新書4 神田日勝-北辺のリアリスト北海道新聞社

他にも日勝の代表作で馬を題材にしたものは多い(たとえば「死馬」など)。この点でも、日勝と天陽の設定はかぶっている。

なお、日勝の「痩馬」について詳しく知りたい場合は、下の記事を読んでほしい。

神田日勝「痩馬」

NHKによる山田天陽の紹介文

NHKの公式サイトでは、山田天陽は下のように紹介されている。

美術の才能があるものの、貧しく進学せずに農業を手伝う。農作業の合間に、べニヤ板に描く絵は繊細にして大胆。躍動感あふれる馬の絵が得意。アニメーターを目指すなつに絵心を教え、彼女の生涯に大きな影響を与える。

引用元:《2019年度前期 連続テレビ小説》主な出演者発表! 〜北海道・十勝 編〜(NHK)

これがすべて神田日勝と重なっていることを、ここまで説明してきた。よって「山田天陽のモデルは神田日勝」といえる。

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